５．各フィルムの星野写真への適性 　コダックE200：コダック社の感度ISO200のカラーポジ(スライド用)フィルムです。相反則 　　不軌が小さいために、長時間露出を行った場合ISO400やそれ以上の感度のフィルム 　　より良く写ります。赤い散光星雲もそこそこ写ります。粒子もISO400のフィルムに比 　　べて非常に細かいので、星野写真に最適です。難点は、36枚撮りしかない(一晩にが 　　んばっても8枚程度しか撮影できないのに．．．)のと、高価(１本1200円程度)なのと、 　　近所の店では取り寄せてもらわないと手に入らない点です。 　コダックロイヤルGOLD400：コダック社の感度ISO400カラーネガフィルムです。Hα光 　　の感度が高いため、赤い散光星雲を撮影する場合有効です。RGBのバランスが良い 　　ので、画像処理で背景をニュートラルグレイにするのが容易です。問題点は、粒子が 　　やや粗いのと,、相反則不軌が大きいためか淡い星雲の写りが悪い点です。 　コダックGOLD400：コダック社の感度ISO400カラーネガフィルムです。名前がロイヤル 　　GOLD400と紛らわしいのですが、全く中身は異なります。Hα光の感度が低く赤い散光 　　星雲は写りませんし、粒子も粗く,、相反則不軌が大きいためか淡い星雲の写りも悪い 　　ので、お勧めしません。 　フジカラーG400：既に製造中止になっている富士の感度ISO400カラーネガフィルムで 　　す。Hα光の感度は高くなかったのですが、赤い散光星雲もそれなりに撮影できました。 　　Rの感度がやや低いが、RGBのバランスも良かった。粒子も比較的細かく、淡い星雲 　　の写りも良かったです。星野写真の定番でしたが、製造中止になりました。 　フジカラースペリア400：富士の感度ISO400カラーネガフィルムです。実は私は使った 　　ことがないので天文雑誌の評価結果を書くと、Hα光が白く写るため赤い散光星雲に 　　は不向きです。それ以外の銀河や青い散光星雲は良く写るようです。粒子も比較的 　　細かく、安価で手に入れやすい点が優れています。でも銀河の中にも赤い散光星雲 　　があり赤く写したいので、どうしても使う気になりません。 　コニカCenturia800：コニカの高感度ISO800カラーネガフィルムです。Hα光の感度が 　　高いため、赤い散光星雲を撮影する場合有効です。また、明るいレンズを使えは短時 　　間で撮影できます。相反則不軌は大きいので長時間露出には向きません。問題点は、 　　粒子が非常に粗いのと、RGBのバランスが悪いため色毎に全く違うガンマ補正をかけ 　　ないとニュートラルグレイにならない点です。 　コニカCenturia400：コニカの感度ISO400カラーネガフィルムです。Hα光の感度が 　　そこそこ高いため、赤い散光星雲は写ります。しかし、RGBのバランスが悪く、粒子も 　　粗く,、相反則不軌が大きいためか淡い星雲の写りも悪いので、お勧めしません。 フィルム名 長時間露出時の感度 粒状性 Hα光の写り カラーバランス コダックE200 ★★★★★ ★★★★★ ★★★ ★★★★★ コダックロイヤルGOLD400 ★★★ ★★★ ★★★★★ ★★★★ コダックGOLD400 ★ ★★ ★ ★★★ フジカラーG400 ★★★ ★★★★ ★★★ ★★★ フジカラースペリア400 ★★★ ★★★★ ★ ？ コニカCenturia800 ★★★ ★ ★★★★ ★ コニカCenturia400 ★ ★★ ★★★ ★